COLUMN
コラム
頭金なしでも家は買える?頭金と自己資金の違いとは?
超低金利が続いている昨今、頭金なしで家を購入する方も増えてきました。
けれど本当に頭金なしで家を買えるのか、不安に思う方も多いでしょう。
結論からいうと、頭金なしでも家は買えます。けれど頭金を入れないからといって、貯金がまったくない状態で家を買えるわけではありません。
今回は頭金と自己資金の違いについて説明しながら、頭金0円で家を購入するリスクなどを解説していきます。
けれど本当に頭金なしで家を買えるのか、不安に思う方も多いでしょう。
結論からいうと、頭金なしでも家は買えます。けれど頭金を入れないからといって、貯金がまったくない状態で家を買えるわけではありません。
今回は頭金と自己資金の違いについて説明しながら、頭金0円で家を購入するリスクなどを解説していきます。
頭金と自己資金の違いはなに?
最近では「頭金0で家が買える」「フルローンOK」のように、建設会社や不動産会社の広告に書かれていることが多くなりました。
頭金0円と聞くと貯金がない状態でも家を買えるように感じてしまいますが、頭金0円=自己資金0円ではありません。まずは、頭金と自己資金の違いについて整理していきましょう。
頭金は「物件価格からローン借入額を差し引いた金額」をいい、物件価格分のローン(フルローン)を組むのであれば「頭金0円」ということになります。
一方で、自己資金は頭金に加えて「手付金やローンの事務手数料や引っ越し費用などの諸費用をプラスした金額」を指します。
仮にフルローンを組んで頭金を0円にしたとしても、諸費用に100万円かかるのであれば現金を100万円用意しなければなりません。
自己資金は「住宅を購入するときに手元から出せる現金」だと覚えておきましょう。
頭金0円と聞くと貯金がない状態でも家を買えるように感じてしまいますが、頭金0円=自己資金0円ではありません。まずは、頭金と自己資金の違いについて整理していきましょう。
頭金は「物件価格からローン借入額を差し引いた金額」をいい、物件価格分のローン(フルローン)を組むのであれば「頭金0円」ということになります。
一方で、自己資金は頭金に加えて「手付金やローンの事務手数料や引っ越し費用などの諸費用をプラスした金額」を指します。
仮にフルローンを組んで頭金を0円にしたとしても、諸費用に100万円かかるのであれば現金を100万円用意しなければなりません。
自己資金は「住宅を購入するときに手元から出せる現金」だと覚えておきましょう。
頭金なしでも家は買える?
建設会社や不動産会社が頭金0円で家を買えると宣伝していたとしても「本当に頭金0円で買える?」「誇張広告ではないのか?」と心配に思いますよね。
ここでは本当に頭金なしで家を買えるのか、という疑問にお答えしていきます。
冒頭で述べたように、頭金なしでも家は買えます。
頭金0円でも家を買えるようになった理由は、ネット銀行の普及によって金融機関の市場競争が激しくなり、フルローンを組める金融機関が増えてきたからです。さらに、バブル期には最大で8.5%を記録していた住宅ローンの金利も1991年のバブル崩壊後から下がり続け、近年ではマイナス金利で住宅ローンを借り入れできるようになりました。
これらの理由から「金利負担が少ないのなら」「フルローンが組めるのなら」と、頭金なしで家を買う人が少しずつ増えていき「頭金0円で家を買える」と宣伝する建設会社が増えてきたのです。
最近では、物件価格と諸費用をすべてローンで借り入れする「オーバーローン」を組む人も増えてきました。
オーバーローンを組めば、住宅購入にかかるすべての費用を借り入れできるので、貯金が0円でも家を買えるように思われますが、貯金なしで家を買うことはできません。
住宅購入の契約時には、物件価格の一部を「手付金」として現金で支払う必要があるからです。手付金の金額は一般的には物件価格の5%程度なので、3,000万円の家を建てるのであれば現金で150万円を用意する必要があります。
諸費用をすべてローンに組み込むとしても先出しで現金が必要になるため、貯金がまったくない状態では住宅を購入できないのです。そのため住宅購入をするのであれば、手付金分の貯金があることが前提となります。
「頭金・自己資金0円で家を買える=貯金0円で家を買える」ではないという点は留意しておきましょう。
ここでは本当に頭金なしで家を買えるのか、という疑問にお答えしていきます。
頭金なしでも家は買える
冒頭で述べたように、頭金なしでも家は買えます。
頭金0円でも家を買えるようになった理由は、ネット銀行の普及によって金融機関の市場競争が激しくなり、フルローンを組める金融機関が増えてきたからです。さらに、バブル期には最大で8.5%を記録していた住宅ローンの金利も1991年のバブル崩壊後から下がり続け、近年ではマイナス金利で住宅ローンを借り入れできるようになりました。
これらの理由から「金利負担が少ないのなら」「フルローンが組めるのなら」と、頭金なしで家を買う人が少しずつ増えていき「頭金0円で家を買える」と宣伝する建設会社が増えてきたのです。
貯金なしでは家を買えない
最近では、物件価格と諸費用をすべてローンで借り入れする「オーバーローン」を組む人も増えてきました。
オーバーローンを組めば、住宅購入にかかるすべての費用を借り入れできるので、貯金が0円でも家を買えるように思われますが、貯金なしで家を買うことはできません。
住宅購入の契約時には、物件価格の一部を「手付金」として現金で支払う必要があるからです。手付金の金額は一般的には物件価格の5%程度なので、3,000万円の家を建てるのであれば現金で150万円を用意する必要があります。
諸費用をすべてローンに組み込むとしても先出しで現金が必要になるため、貯金がまったくない状態では住宅を購入できないのです。そのため住宅購入をするのであれば、手付金分の貯金があることが前提となります。
「頭金・自己資金0円で家を買える=貯金0円で家を買える」ではないという点は留意しておきましょう。
頭金なしで家を買うリスク
フルローンを超低金利で組めるのであれば、頭金0円のほうがいいと誰しもが考えるでしょう。けれど、頭金を出さないことには次のようなリスクがあります。
それぞれ詳しく説明していきましょう。
頭金0円で家を購入すると、頭金を入れる場合よりも借入金額が大きくなるので、その分支払う利息も増えて返済負担も大きくなります。また金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利が異なることも。
たとえば、35年間固定金利の「フラット35」の場合は融資率によって金利も異なり、融資率が9割以下の場合の金利は年1.49%、9割超の場合には年1.75%とされています。(2022年6月)
3,000万円を35年間で返済する場合、年1.49%の利息は851万円なのに対し、年1.75%の利息は1,014万円です。
たった0.26%の金利差でも、長い目でみると163万円もの金額差が出てしまうのです。
現在は超低金利であるものの、金利上昇はいつ起こるか分かりません。すぐに金利が大幅に上がることは考えにくいですが、住宅ローンを返済している間に金利が少しずつ上昇する可能性はあります。
前述したように、金利はわずかに上昇するだけでも支払い利息に大きな差が出るうえに、借入額が大きいほど支払い利息も大きくなるものです。特に変動金利は半年ごとに金利の見直しが行われるため、返済できるギリギリの金額でローンを組んでいた場合には金利の上昇によって返済が厳しくなることも考えられます。
固定金利であったとしても、固定期間が終了した際に金利上昇の影響を受けることは免れません。頭金0円で家を購入するのであれば、手元に現金を残しておいたり、月々の返済に余裕がある金額でローンを組んだりなど、金利上昇時の対策も考えておく必要があるでしょう。
転勤や離婚、返済が厳しくなったときなど、やむを得ない事情で家を手放すことになった場合には、住宅を売却することになります。そして住宅売却時には「抵当権」を抹消する必要があるため、引き渡し前にローンを完済しなければなりません。
しかし、ローン残高が多く残っている場合には、売却金額でローンを完済できない可能性が出てきます。売却金額でローンを完済できない場合には、手元資金で不足分を補填する、または売却後もローンを返済することになるでしょう。
経済的な理由で家を手放すことになった場合に残債が出る可能性があると、家を売却したくてもできないという状態になる恐れもあります。頭金0円で住宅を購入することにはメリットだけではなく、デメリットもあることを覚えておいてください。
● 返済負担が大きくなる
● 金利上昇時に家計を圧迫する恐れがある
● 住宅売却時に残債が残る可能性がある
● 金利上昇時に家計を圧迫する恐れがある
● 住宅売却時に残債が残る可能性がある
それぞれ詳しく説明していきましょう。
返済負担が大きくなる
頭金0円で家を購入すると、頭金を入れる場合よりも借入金額が大きくなるので、その分支払う利息も増えて返済負担も大きくなります。また金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利が異なることも。
たとえば、35年間固定金利の「フラット35」の場合は融資率によって金利も異なり、融資率が9割以下の場合の金利は年1.49%、9割超の場合には年1.75%とされています。(2022年6月)
3,000万円を35年間で返済する場合、年1.49%の利息は851万円なのに対し、年1.75%の利息は1,014万円です。
たった0.26%の金利差でも、長い目でみると163万円もの金額差が出てしまうのです。
金利上昇時に家計を圧迫する恐れがある
現在は超低金利であるものの、金利上昇はいつ起こるか分かりません。すぐに金利が大幅に上がることは考えにくいですが、住宅ローンを返済している間に金利が少しずつ上昇する可能性はあります。
前述したように、金利はわずかに上昇するだけでも支払い利息に大きな差が出るうえに、借入額が大きいほど支払い利息も大きくなるものです。特に変動金利は半年ごとに金利の見直しが行われるため、返済できるギリギリの金額でローンを組んでいた場合には金利の上昇によって返済が厳しくなることも考えられます。
固定金利であったとしても、固定期間が終了した際に金利上昇の影響を受けることは免れません。頭金0円で家を購入するのであれば、手元に現金を残しておいたり、月々の返済に余裕がある金額でローンを組んだりなど、金利上昇時の対策も考えておく必要があるでしょう。
住宅売却時に残債が残る可能性がある
転勤や離婚、返済が厳しくなったときなど、やむを得ない事情で家を手放すことになった場合には、住宅を売却することになります。そして住宅売却時には「抵当権」を抹消する必要があるため、引き渡し前にローンを完済しなければなりません。
しかし、ローン残高が多く残っている場合には、売却金額でローンを完済できない可能性が出てきます。売却金額でローンを完済できない場合には、手元資金で不足分を補填する、または売却後もローンを返済することになるでしょう。
経済的な理由で家を手放すことになった場合に残債が出る可能性があると、家を売却したくてもできないという状態になる恐れもあります。頭金0円で住宅を購入することにはメリットだけではなく、デメリットもあることを覚えておいてください。
まとめ
超低金利が続いている近年では、物件価格をすべてローンで賄うフルローン、自己資金まですべてローンに組み込むオーバーローンで住宅を購入する人も増えてきました。
けれど、頭金や自己資金なしで家を買うことには、本記事で紹介したようなリスクがあることも忘れてはいけません。
住宅ローンの返済期間はとても長く、金利の上昇や生活の変化などの予想できないことも起こります。頭金や自己資金について考えるときには、収入やライフイベントから返済シミュレーションを行い、リスクヘッジも考えながらしっかりとした資金計画を立てましょう。
けれど、頭金や自己資金なしで家を買うことには、本記事で紹介したようなリスクがあることも忘れてはいけません。
住宅ローンの返済期間はとても長く、金利の上昇や生活の変化などの予想できないことも起こります。頭金や自己資金について考えるときには、収入やライフイベントから返済シミュレーションを行い、リスクヘッジも考えながらしっかりとした資金計画を立てましょう。
著者(井本ちひろ)プロフィール
工業大学建築系学部卒業。
FP2級技能士。
キッチンメーカーで、キッチン、風呂、洗面、トイレのプランニングなど行う。
家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中
子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用なども得意。
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