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掲載:2022年07月14日更新:2022年07月14日

家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときはどう判断する?

家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときはどう判断する?

マイホームは、一生に一度と言われるほど大きな買い物。購入のタイミングで後悔したくないと、誰でも慎重になるものです。
悩んだときには、データやライフイベントからタイミングを考えてみませんか?

今回は家を建てるタイミングについて、お伝えしていきます。
2022年の円安・物価上昇にも触れていきますので、参考にしてください。


家を建てるタイミング:世帯主のデータから考える

家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときはどう判断する?

家を建てるタイミングで悩んだときには、住宅購入した人のデータを参考に考えてみましょう。

ここでは「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」のデータをもとに、世帯主の年齢や世帯年収について解説していきます。

世帯主の年齢は30歳代が最も多い


注文住宅を建てたときの世帯主の年齢は30歳代が最も多く、全体の44.8%を占めています。

30歳代に次いで40歳代が23.3%、30歳未満が12.7%と続いているので平均年齢にすると40.9歳ですが、注文住宅を建てている人の半数近くが30代で家を建てているのです。
30代で家を建てる理由には、住宅ローンが大きく関係していると考えられます。

これまでは退職金でローンを完済する人が多かったのですが、退職金の金額は年々下がり続け、2018年には退職金平均額が1,788万円まで下がってしまいました。

さらに、老後2,000万円問題も相まって「退職までにローンを完済しておきたい」と考える人が増えてきたのです。退職までにローンを完済するためには、35年ローンを組むのであれば30代のうちに返済をスタートさせなければなりません。

退職までにローンを完済しておけば退職金をすべて老後資金に回せるだけでなく、返済がない分、生活にもゆとりを持てます。
住宅ローンや老後の生活を考えると、30代が最適なタイミングだと言えるのでしょう。

世帯年収は600万〜800万円未満が最も多い


世帯年収は世帯主の年収ではなく、世帯全体の年収を合算した年収をいいます。たとえば世帯主の年収が500万円、配偶者の年収が300万円であれば、世帯年収は800万円です。

注文住宅を建てている人の全国的な平均世帯年収は779万円です。内訳を見てみると、600万円〜800万円未満が25.3%、400万円〜600万円未満が22%、800万円〜1,000万円未満が17.5%と続いています。

データだけを見ると「600万以上ないと家を建ててはいけないの?」と思うかもしれません。
しかし、建てる家のグレードによって住宅価格は異なるため、大切なのは世帯年収ではなく、住宅ローン年間返済額が年収に占める割合である「返済負担率」です。

そのため、世帯年収がデータよりも少なかったとしても、返済が問題なくできる範囲である返済負担率25%以内で家を建てるのであれば、住宅購入を考えても良いでしょう。
データから見る世帯年収は、あくまで目安の一つとして考えましょう。


家を建てるタイミング:ライフイベントから考える

家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときはどう判断する?

結婚、出産、入学など、人生にはさまざまなライフイベントがあり、イベントを迎えるごとに環境も変化します。環境が変わるときも、家を建てるには最適のタイミングです。

ここでは、ライフイベントから考える家づくりのタイミングを見ていきましょう。

子どもが生まれるとき


子どもが生まれるとき、または生まれてすぐは家を建てる最適なタイミングだと言えます。
株式会社AlbaLinkが家の購入経験がある500人にアンケートを実施した結果、家を買ったタイミングで最も多かったのが妊娠・出産(112人)でした。

家を買った理由には「泣き声や足音が迷惑になると思った」「敷地内に駐車場が欲しかった」など、子育てをする環境を整えたいという回答が多くありました。

参考:訳あり物件買取プロ「【家を買ったタイミングランキング】経験者500人アンケート調査」

子どもが生まれると環境が大きく変化します。
室内の段差や階段など、大人だけで生活していたときには何も問題なかったことが、子どもにとっては危険なこともあります。

安心して子育てできる環境をつくるためにも、妊娠・出産のタイミングで家を建てておくと良いかもしれません。

子どもが小学校に入学するとき


住宅購入を子どもの小学校の入学に合わせる人も多くいます。
子どもが入学をするタイミングで家を建てれば、中学・高校・大学と、その後のライフプランを考えやすくなるからです。

ただし、入学準備は入学年前年の秋頃からはじまるので、準備がはじまるまでには引っ越しや土地購入をしておくのが理想的。「引っ越しは小学校入学前にしたい」と思うのであれば、家づくり必要な期間を逆算して行動を開始しましょう。

>家づくりは何からはじめる?注文住宅を建てる前にすべきこと

子ども部屋が必要になったとき


お子さんが小さいうちはリビングで過ごす時間がほとんどですが、成長するに連れてプライベート空間が必要になります。
特に第一子と二子が異性である場合には、何歳まで同室で過ごさせるべきか悩むものです。

それぞれに自室を与えられるのであれば問題はありませんが、賃貸の場合には難しいケースもあるでしょう。そのため、子ども部屋が必要だと感じたときにも、家を建てるには最適のタイミングと言えます。

お子さんの希望を聞き、家族で理想の家について話し合ってみてください。


2022年の円安と物価上昇の影響は?

家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときはどう判断する?

データやライフイベントから住宅購入の考え方をお伝えしてきましたが、連日報道されている円安や物価上昇の影響を心配している方も多いでしょう。

ここでは、円安や物価上昇は住宅市場にどのような影響を与えているのか説明していきます。

住宅設備の価格は上昇している


円安や物価上昇が起こり、2022年に入ってから住宅設備メーカーが相次いで値上げを発表しました。値上げ率はメーカーや設備によって異なるものの、多くのメーカーが5%〜10%程度の値上げをしている状況です。

さらにロシアのウクライナ侵攻によってウッドショックが起こり、輸入量が減少したことによって輸入木材の価格は3〜4倍、国産木材も2倍以上に高騰しています。

住宅を創るために必要な木材・資材・設備の価格がすべて高騰してしまったため、住宅価格の値上がりも避けられない状況です。
価格高騰と聞くと「今は家を建てるのを見送るべき?」と考えるかもしれませんが、物価上昇状態での住宅購入はインフレ対策として有効だといわれています。
インフレ下ではお金の価値が下がる反面、物の価値は上がっていくからです。

そのため、円安・物価上昇を理由に住宅購入を見送る必要はありません。資金計画に問題がないのであれば、家づくりをはじめても良いでしょう。

ただし、これからも木材・資材・設備の価格は上がっていくことが予想されます。
2022年に注文住宅を建てるのであれば、木材・資材・設備の値上げによって見積もり価格が変動するのか、しないかを必ず確認してください。

金利は多少引き上げされたものの低金利は継続


全期間固定金利「フラット35」の金利が2022年に入ってから5ヶ月連続で上昇したことを受け、「このまま金利が上がっていくのでは?」と心配になっている方も多いでしょう。

結論から言うと、当面の間は金利の大幅上昇はないと予想されます。
日銀は4月の金融政策決定会合で、金利の上昇を抑える方針を決めました。これにより、日銀の金融政策を直接的に受ける変動金利は、しばらくは低金利が続くと予想されます。

長期固定金利には円安やインフレが影響するため多少は金利上昇してしまいますが、大幅に上がることは考えにくいです。
したがって円安・インフレだからといって、住宅ローンの借り入れについて心配する必要はありません。
ただし、長期的に見ると上昇していく可能性もあるため、金利上昇に備えておく必要があります。


まとめ

家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときはどう判断する?

家を建てるタイミングで悩んだときには、まずは住宅ローンや資金計画について考えてみましょう。
住宅ローンの完済時期を考えて住宅購入をしておけば、老後資金や生活のプランも立てやすくなります。

また、出産や入学、子供部屋が必要になったときなど、ライフイベントを考えることも大切です。
本記事で紹介したアンケートを見て分かるように、多くの人がライフイベントを考えて住宅購入をしています。

2022年は円安・物価上昇などが起こっているので、住宅購入に不安を感じてしまうでしょう。
けれど、しっかりとした資金計画や返済シミュレーションをしているのであれば、住宅購入を見送る必要はありません。

本記事を参考にして、家を建てるタイミングについて家族でしっかりと話し合ってみてください。


著者(井本ちひろ)プロフィール

工業大学建築系学部卒業。
FP2級技能士。

キッチンメーカーで、キッチン、風呂、洗面、トイレのプランニングなど行う。
家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中
子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用なども得意。

ブログ「フリーランス主婦のあれこれ日誌」 





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