COLUMN
コラム
2022年は建築費用が高騰!住宅購入は見送るべき?
2022年に入り、住宅設備メーカーが相次いで値上げを発表しました。
さらに円安・インフレが重なり、住宅購入に対して不安を抱いている方も多いでしょう。
結論から言うと、建築費用の高騰・円安・インフレが重なったからといって、住宅購入を見送る必要はありません。
本記事では「今年は住宅購入を見送るべき?」と心配になっている方のために、建築費用高騰の背景や値上げ率を解説していきます。
住宅購入を見送る必要がない理由についてもしっかりと説明しますので、最後までご覧になってください。
さらに円安・インフレが重なり、住宅購入に対して不安を抱いている方も多いでしょう。
結論から言うと、建築費用の高騰・円安・インフレが重なったからといって、住宅購入を見送る必要はありません。
本記事では「今年は住宅購入を見送るべき?」と心配になっている方のために、建築費用高騰の背景や値上げ率を解説していきます。
住宅購入を見送る必要がない理由についてもしっかりと説明しますので、最後までご覧になってください。
建築費用が高騰した3つの原因
建築費用が高騰した原因には、以下の3つが挙げられます。
ウッドショックは、木材不足によって木材価格の高騰が起こっている状態をいいます。そしてウッドショックが起こった背景には、次の3つの要因が関係しています。
コロナ禍でリモートワークが普及したことにより、アメリカ・中国では住宅需要が急増しました。これによりアメリカ・中国が輸入材を大量購入したため、木材不足に陥ってしまったのです。
また、木材を輸送するコンテナ運送料金の高騰も、ウッドショックに関係しています。
「輸入が難しいなら国産材で補えばいいのでは?」と思うかもしれませんが、木材は生産に数十年はかかるので、需要が増えたからといってすぐに供給できるものではありません。
これらの要因が重なったことによって深刻な木材不足が続き、ウッドショックが起こってしまったのです。
アイアンショックは、鉄の価格が高騰している状態をいいます。アイアンショックもウッドショックと同様に、原因は住宅需要の増加やコンテナ不足による運送料金の高騰です。
鉄の価格高騰は、建築資材と住宅設備の両方の価格に影響するため、アイアンショックは住宅市場にとって大きなダメージとなりました。
さらに日本は鉄鉱石を100%輸入に依存しているので、価格が上がったとしても輸入に頼るしかありません。
原材料価格の高騰により、メーカーも値上げをせざるを得ない状態なのです。
オイルショックは、原油価格が急上昇している状態をいいます。
ロシアのウクライナ侵攻によって、ロシアからの原油の輸入停止や供給減少を心配した各国が原油を買いに走ったため、価格が高騰してしまったのです。
原油は樹脂や塩ビなどのさまざまな化学製品に使用されるので、建築費用にも影響を与えてしまいます。
住宅を創るうえで欠かせない、木材・鉄・原油のすべてが「価格高騰」「円安」のダメージを受けたことにより、建築費用の値上げを免れない状態になってしまったのです。
- ウッドショック
- アイアンショック
- オイルショック
輸入木材不足によるウッドショック
ウッドショックは、木材不足によって木材価格の高騰が起こっている状態をいいます。そしてウッドショックが起こった背景には、次の3つの要因が関係しています。
・住宅需要の急増による木材不足
・コンテナ不足による運送料金の高騰
・国産材の供給不足
・コンテナ不足による運送料金の高騰
・国産材の供給不足
コロナ禍でリモートワークが普及したことにより、アメリカ・中国では住宅需要が急増しました。これによりアメリカ・中国が輸入材を大量購入したため、木材不足に陥ってしまったのです。
また、木材を輸送するコンテナ運送料金の高騰も、ウッドショックに関係しています。
「輸入が難しいなら国産材で補えばいいのでは?」と思うかもしれませんが、木材は生産に数十年はかかるので、需要が増えたからといってすぐに供給できるものではありません。
これらの要因が重なったことによって深刻な木材不足が続き、ウッドショックが起こってしまったのです。
鉄鉱石の需要拡大によるアイアンショック
アイアンショックは、鉄の価格が高騰している状態をいいます。アイアンショックもウッドショックと同様に、原因は住宅需要の増加やコンテナ不足による運送料金の高騰です。
鉄の価格高騰は、建築資材と住宅設備の両方の価格に影響するため、アイアンショックは住宅市場にとって大きなダメージとなりました。
さらに日本は鉄鉱石を100%輸入に依存しているので、価格が上がったとしても輸入に頼るしかありません。
原材料価格の高騰により、メーカーも値上げをせざるを得ない状態なのです。
原油の需要増加によるオイルショック
オイルショックは、原油価格が急上昇している状態をいいます。
ロシアのウクライナ侵攻によって、ロシアからの原油の輸入停止や供給減少を心配した各国が原油を買いに走ったため、価格が高騰してしまったのです。
原油は樹脂や塩ビなどのさまざまな化学製品に使用されるので、建築費用にも影響を与えてしまいます。
住宅を創るうえで欠かせない、木材・鉄・原油のすべてが「価格高騰」「円安」のダメージを受けたことにより、建築費用の値上げを免れない状態になってしまったのです。
建築資材・住宅設備はどのくらい値上げされた?
前項では、建築費用が値上げされた原因についてお伝えしました。では、建築資材・設備はどのくらい値上げされたのでしょうか。
輸入木材の価格はこれまでより3〜4倍に高騰、国産材も需要増加によって2倍以上に高騰している状態です。
木造住宅にかかる木材費用は建築費用の1割程度なので、木材価格の高騰は建築費用に大きく影響してしまいます。
たとえば住宅1棟に必要な木材費用がこれまでは150万円だったとすると、ウッドショックによって300〜600万円ほど値上げされたということです。
使用する木材量にもよりますが、ウッドショックの影響によって数十万〜数百万単位で建築費用が高くなっています。
アイアンショック・オイルショックの影響により、2022年に入ってから住宅設備メーカーがこぞって値上げを発表しました。
メーカーや設備によって値上げ率に差はあるものの、キッチンは2〜11%、ユニットバスは4〜39%、洗面台は2〜13%、トイレは2〜33%もの値上げが決定しています。
メーカー4社それぞれの値上げ率を見てみましょう。
住宅設備のなかでもユニットバスは、特に値上げ幅が大きいので注意が必要です。
ユニットバスの価格は150〜200万円の商品が多いため、仮に39%値上げされたとすると60〜80万円も価格がアップしてしまいます。
ユニットバスだけでも数十万単位で値上げしているので、住宅設備のほとんどが値上げとなると、建築費用も数十万〜数百万は高くなってしまうでしょう。
さらにLIXILは、2022年6月23日にトイレ・キッチン・インテリア建材などの住宅設備をさらに値上げすることを発表しており、希望小売価格を最大で27%引き上げることが決定しています。
値上げ開始時期はメーカーや設備によって異なるので、時期や値上げ率を確認したうえで家づくりを進めてください。
建築費用の内訳は「建築資材費」「住宅設備費」「人件費」の3つに分かれます。そのため人件費の上昇も、建築費用の高騰に大きく影響してしまうのです。
職人の人件費は2013年から少しずつ上昇しており、2010年から10%ほど上昇しました。
職人不足や外国人労働者の賃金相場も上昇していることなどから、人件費は今後さらに高くなっていくと予想されます。
建築資材や住宅設備の価格上昇だけではなく、人件費の上昇も建築費用に影響していることを覚えておきましょう。
木材の価格は2〜4倍に高騰
輸入木材の価格はこれまでより3〜4倍に高騰、国産材も需要増加によって2倍以上に高騰している状態です。
木造住宅にかかる木材費用は建築費用の1割程度なので、木材価格の高騰は建築費用に大きく影響してしまいます。
たとえば住宅1棟に必要な木材費用がこれまでは150万円だったとすると、ウッドショックによって300〜600万円ほど値上げされたということです。
使用する木材量にもよりますが、ウッドショックの影響によって数十万〜数百万単位で建築費用が高くなっています。
住宅設備の値上げ率は5〜40%
アイアンショック・オイルショックの影響により、2022年に入ってから住宅設備メーカーがこぞって値上げを発表しました。
メーカーや設備によって値上げ率に差はあるものの、キッチンは2〜11%、ユニットバスは4〜39%、洗面台は2〜13%、トイレは2〜33%もの値上げが決定しています。
メーカー4社それぞれの値上げ率を見てみましょう。
メーカー |
値上げ率 | |||
キッチン | ユニットバス | 洗面化粧台 | トイレ | |
LIXIL | 2〜11% | 4〜39% | 2〜7% | 2〜33% |
タカラスタンダード | 2〜4% | 4〜9%(単体浴槽のみ) | 3〜7% | 値上げなし |
TOTO | 2〜7% | 6〜20% | 4〜8% | 3〜8% |
Panasonic | 9% | 11% | 6〜9% | 6〜12% |
住宅設備のなかでもユニットバスは、特に値上げ幅が大きいので注意が必要です。
ユニットバスの価格は150〜200万円の商品が多いため、仮に39%値上げされたとすると60〜80万円も価格がアップしてしまいます。
ユニットバスだけでも数十万単位で値上げしているので、住宅設備のほとんどが値上げとなると、建築費用も数十万〜数百万は高くなってしまうでしょう。
さらにLIXILは、2022年6月23日にトイレ・キッチン・インテリア建材などの住宅設備をさらに値上げすることを発表しており、希望小売価格を最大で27%引き上げることが決定しています。
値上げ開始時期はメーカーや設備によって異なるので、時期や値上げ率を確認したうえで家づくりを進めてください。
人件費も年々上昇している
建築費用の内訳は「建築資材費」「住宅設備費」「人件費」の3つに分かれます。そのため人件費の上昇も、建築費用の高騰に大きく影響してしまうのです。
職人の人件費は2013年から少しずつ上昇しており、2010年から10%ほど上昇しました。
職人不足や外国人労働者の賃金相場も上昇していることなどから、人件費は今後さらに高くなっていくと予想されます。
建築資材や住宅設備の価格上昇だけではなく、人件費の上昇も建築費用に影響していることを覚えておきましょう。
2022年は住宅購入を見送るべき?
建築費用高騰の背景や、建築資材・住宅設備の値上げについて説明してきました。
一番心配なのは「この状況で家を建てても大丈夫なのか」ということではないでしょうか。
結論から言うと、建築費用が値上げされているからといって2022年に住宅購入を見送る必要はありません。
ここでは住宅購入を見送る必要がないケースと、その理由について説明していきましょう。
前述したように、2022年は建築資材費・住宅設備費・人件費の3つがすべてが高騰している状態なので、建築費用ももちろん値上げされています。けれど住宅資金に余裕があり、返済が問題なくできるのであれば住宅購入を見送る必要はありません。
理想の土地・建設会社が見つかったタイミングで家づくりをスタートして良いでしょう。
ただし、資材不足によって住宅設備の製造が遅れているメーカーもあるので、土地探しの期間も含め、家づくりにかかる期間は1〜2年程度を考えておいてください。
その間にも資材や設備の値上げが行われる可能性があるため、建設会社に見積もり後の価格変動の有無を必ず確認しておきましょう。
「値上げされているのなら、値下がりするまで住宅購入を待とう」と思うかもしれませんが、建築費用が値下げされる可能性は極めて低いと考えられます。
建築資材費・住宅設備費・人件費の3つはすべて上昇傾向にあるため、現在を底として、これからも上がっていくと予想されているからです。
そのため、2022年に住宅購入を見送ったからといって、有利になる可能性は低いでしょう。
建築費用の値上げを理由に住宅購入を悩んでいるのであれば、値上げよりも自己資金や返済プラン、ライフイベントなどから住宅を建てるタイミングを考えてみてください。
住宅を建てるタイミングについて、詳しくまとめている記事がありますのでこちらも参考にしてください。
>家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときの判断ポイントは?
一番心配なのは「この状況で家を建てても大丈夫なのか」ということではないでしょうか。
結論から言うと、建築費用が値上げされているからといって2022年に住宅購入を見送る必要はありません。
ここでは住宅購入を見送る必要がないケースと、その理由について説明していきましょう。
資金に余裕があるのであれば見送る必要はない
前述したように、2022年は建築資材費・住宅設備費・人件費の3つがすべてが高騰している状態なので、建築費用ももちろん値上げされています。けれど住宅資金に余裕があり、返済が問題なくできるのであれば住宅購入を見送る必要はありません。
理想の土地・建設会社が見つかったタイミングで家づくりをスタートして良いでしょう。
ただし、資材不足によって住宅設備の製造が遅れているメーカーもあるので、土地探しの期間も含め、家づくりにかかる期間は1〜2年程度を考えておいてください。
その間にも資材や設備の値上げが行われる可能性があるため、建設会社に見積もり後の価格変動の有無を必ず確認しておきましょう。
購入を先延ばしにしても有利になる可能性は低い
「値上げされているのなら、値下がりするまで住宅購入を待とう」と思うかもしれませんが、建築費用が値下げされる可能性は極めて低いと考えられます。
建築資材費・住宅設備費・人件費の3つはすべて上昇傾向にあるため、現在を底として、これからも上がっていくと予想されているからです。
そのため、2022年に住宅購入を見送ったからといって、有利になる可能性は低いでしょう。
建築費用の値上げを理由に住宅購入を悩んでいるのであれば、値上げよりも自己資金や返済プラン、ライフイベントなどから住宅を建てるタイミングを考えてみてください。
住宅を建てるタイミングについて、詳しくまとめている記事がありますのでこちらも参考にしてください。
>家を建てるベストタイミングはいつ?悩んだときの判断ポイントは?
まとめ
コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻、円安などのさまざまな要因によって、建築費用も年々上昇しています。
とくに2022年は住宅設備メーカーが相次いで値上げを発表したため、家づくりを考えている方は住宅購入に対して大きな不安を抱いたことでしょう。
この先の建築費用の正確な予測は誰にもできませんが、価格の上昇はこれからも続いていくと考えられます。
住宅資金や返済プランに無理がないのであれば、値上げされているからといって住宅購入を見送る必要はありません。
理想の土地・建設会社が見つかったタイミングで、前向きに家づくりを進めてください。
とくに2022年は住宅設備メーカーが相次いで値上げを発表したため、家づくりを考えている方は住宅購入に対して大きな不安を抱いたことでしょう。
この先の建築費用の正確な予測は誰にもできませんが、価格の上昇はこれからも続いていくと考えられます。
住宅資金や返済プランに無理がないのであれば、値上げされているからといって住宅購入を見送る必要はありません。
理想の土地・建設会社が見つかったタイミングで、前向きに家づくりを進めてください。
著者(井本ちひろ)プロフィール
工業大学建築系学部卒業。
FP2級技能士。
キッチンメーカーで、キッチン、風呂、洗面、トイレのプランニングなど行う。
家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中
子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用なども得意。
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