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掲載:2023年10月25日更新:2024年02月01日

和のインテリアエレメントをさりげなく取り入れよう!【話題のJAPANDIスタイルをリビングに】

和のインテリアエレメントをさりげなく取り入れよう!

「和室は無くても、住まいのどこかに『和』の味わいを取り入れたい…」という声が、よく聞かれるようになりました。
リフォームの際に、住まいのなかに、さりげなく和のインテリアエレメントを取り入れてみませんか?


1.北欧テイスト+和のインテリアで注目の「Japandi 」スタイルとは?

北欧テイスト+和のインテリアで注目の「Japandi 」スタイルとは?

最近、インテリアで注目されている「ジャパンディ(Japandi)」スタイル。
ざっくりとかみ砕いて説明すると、北欧スタイルのインテリアをベースに、和のインテリアエレメントをさりげなく織り込んだインテリアで、欧米の家具見本市やインテリアメーカーのスタイリングでも注目のインテリアトレンドです。

とはいっても、「これまでの和モダンスタイルと、どこが違うの?」という素朴な疑問が生まれる事かと思います。

ジャパンディと従来の和モダンスタイルとの線引きは、とてもふんわりとした曖昧なものですが、あくまでも北欧スタイルのインテリアが基本で、その中にスパイスのように和のインテリアアイテムをさりげなく織り込むというところがポイントとなっています。
具体的には、

●色調は現在トレンドとなっているグレージュカラーのようなナチュラルな色合い
●白木、イ草、和紙、アイアンなど自然由来の素材をつかう
●ウィンドウトリートメントや、照明にも木の質感、和紙のような質感、障子ごしの光を感じるようなシンプルな素材を使う
●日本古来の床座スタイルや、余白を大切にした床の間の装飾など、簡素でシンプルなしつらえ方、背の低い家具を必要最低限レイアウトする「視点を低くする家具や小物の配置」

などがポイントになります。

2.リビングルームに和のエレメントを取り込むポイント

リビングルームをジャパンディスタイルにするためには、床・窓まわり・照明・植栽・家具の選び方がポイントになります。

ナチュラルな質感の床材

床材は、北欧テイストのナチュラルで明るい、木目の美しさや素材感が感じられるものがおすすめです。 現在の住まいの床が、メープルやグレージュ系など、白木のような木目の美しさが感じられるナチュラルな色調であればそのまま使えます。

住まいの床が、ダークな色調、赤味の強い色調の床材の場合はナチュラルな質感の床材に変えるだけで、印象がかわります。

リフォームで、フローリングを貼りかえることが難しい場合は、下の画像のような置き畳をポイントに敷きこむのも一案です。

置き畳【ReFace Tatami】は、表面強度と通気性・耐水性を備えた素材で豊富なカラーバリエーションがあるため、部分的な置き敷きにも適しています。

和テイストのウィンドウトリートメント

ウッドブラインド

窓周りのカーテン類を、直線的なラインを印象づける木製ブラインドに変えるだけでジャパンディスタイルの空間に。
上の画像は、ノーマン社の桐材のブラインド。軽量で操作がしやすく、直線的なラインが美しい窓辺をつくります。
床座に近い、座面高さの低い家具と、北欧ルイスポールセン社のロングセラーのペンダントの組み合わせが、まさに「北欧インテリアに和の魅力を取り込んだジャパンディ」の空間になっています。

プリーツスクリーン

カーテンの代わりにプリーツスクリーンを取り入れることで、障子ごしのようなやわらかな光が入ります。西日など日差しの強い部屋にも。
TOSOの和紙調プリーツスクリーンは、質感・色調ともにナチュラルでジャパンディの空間を印象づけます。

折り紙をヒントにデザインされた照明器具

日本の折り紙をヒントにデザインされたレ・クリントシリーズなど、北欧と日本のデザインの魅力をうまく織り込んだ照明器具を使うとより魅力的なジャパンディスタイルの世界が実現します。

日本の伝統文様を活かしたパーティション

組子の技術で製作した日本の伝統文様の美しいパーティション。引戸の部材として製作されるため、建具業者に依頼して引戸に仕上げてもらいます。広々としたLDKを必要に応じて、緩やかに仕切る場合などにも活躍する、日本の職人技を活かした引戸パーティションです。

木製キッチン

上の画像は、カウンタートップに桐を使ったキッチンです。丈夫で、湿気に強く腐りにくい桐材の特性を活かして食卓を兼ねたカウンターキッチンをオーダーすることも可能です。脚ざわりのよい桐材は床材にも適しています。

ローソファなどの、重心の低い床座に近い家具を取り入れる

ジャパンディスタイルにソファなどの人体系の家具を取り入れる場合は、高さを抑えた家具を選びロースタイルインテリアでまとめると、落ち着きのあるジャパンディの空間に。
日本では、長く床座の生活が浸透してきたため、畳がなくても床に近いところにいると落ち着き空間も広く感じることができます。ジャパンディスタイルを取り入れる時には、和のインテリアエレメントと一緒に、日本人が長く培ってきた床座暮らしや、余白を大切にする簡素な空間構成などの住まいかたの美学も取り入れていきたいものです。

上の参考画像は在来工法の日本建築ですので、厳密にいうとジャパンディではなくて和モダンスタイルになりますが、ローソファ・ローテーブルが和の空間に絶妙にマッチしているため、参考例としてご紹介しました。
リフォームしないで、和室本来の仕様を活かして、洋風に暮らしたい時の参考にしてください。

盆栽や生活民具を「間」を大切にしてしつらえる

海外のインテリアショップのサイトなどを見ていると、盆栽や南部鉄器などの日本古来の生活用品が、インテリアアイテムとして取り入れられています。

「すぐにリフォームやDIYはできないけれど、たまにはわが家に日本的なものを取り入れたい」と感じたら、身近にある和食器なども活用して、盆栽に見立てて、余白を残した空間にすっきりと飾るだけでも、ジャパンディを自分たちの暮らしの中に取り入れることができますね。ぜひ挑戦してみましょう!

まとめ

まとめ

北欧テイストのインテリアをベースに、和のインテリアエレメントをスパイスのように効果的に使う「ジャパンディ」スタイルは、和室のない都心の住宅にも、なじみよく取り入れることができます。

「本格的なリノベーションは今は難しいけれど、実家から持ってきた盆栽を床の間感覚でニッチに飾る」「和室はないけれど、畳をつかったラグを愛用する」など、住む人の自由な発想で、自分らしいジャパンディスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか?





著者(藤江 薫)プロフィール

二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター。
電鉄会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」として、7年間で1,000組以上の住まいの進路相談を担当。
不動産購入・売却・新築・建て替え・リフォーム・住みかえなど、問題解決のために、さまざまな選択肢を提案。






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