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掲載:2019年12月15日更新:2019年12月15日

ウッドデッキ用の人工木の違いは?人工木のメリットとデメリット

ウッドデッキはDIYであまり費用をかけずカンタンに作ることができるので人気です。
ウッドデッキの素材は「天然木」か「人工木」のどちらかを使用しますが、どちらにするかどのように選べばよいのでしょうか?

この記事ではウッドデッキの素材として人気の素材、「人工木」について、
・人工木はどんな特徴がある素材か
・ウッドデッキに人工木を使用するメリット
・ウッドデッキに人工木を使用するデメリットとその解決策
についてご紹介します。


1.ウッドデッキに使われる「人工木」はこんな素材|プロにもDIYにもおすすめ!

人工木は「樹脂木」や「人工木材」など様々な名称で呼ばれていますが、正式名称は「木材・プラスチック再生複合材(Wood-plastic recycled composite)」です。WPRCという略称が使われることもあります。

人工木の主原料は、

● 樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)
● 木粉(おがくず)

の2種類です。

これらの素材はリサイクルで調達できるので、

● 温室効果ガスの削減
● 森林保全

などにも役立つ、環境にやさしい建材として公的に認められています。

木とプラスチック双方の性質をあわせ持つ人工木は、DIYでも木材の様に加工できる上、ウッドデッキの素材に適したその他の優れた特徴がいくつもあります。 ウッドデッキ以外のエクステリアの構造材として、公共施設のアプローチ、公園の歩道の舗装材などにも幅広く活用されています。

人工木は成分の含有量で性質が変化する

人工木は主原料となる木粉・樹脂の配合比率によって性質も変化します。
多くの人工木製品では木粉・樹脂が50:50の割合となっていますが、木粉が多めに配合される人工木で下記の様な特徴があります。

● 天然木に近い、ナチュラルな質感になる
● 腐食や虫害を受けやすくなる

樹脂の含有量が多い人工木には、下記の様な特徴があります。

● 腐食・虫害の被害を受けにくい
● 夏場は日光で高温になりやすく、裸足で使用しにくい

このような人工木の特徴の変化をよく理解しておけば、目的に合った人工木を選びやすくなるでしょう。

ウッドデッキのDIYにホームセンターの安い人工木を使っても大丈夫?

ウッドデッキをDIYする場合、資材は身近なところで安く入手できれば便利ですが、ホームセンターで取り扱っている安価な資材を使用するのは不安だという人もいるかもしれません。もちろん、ホームセンターで十分な質の人工木が手に入る可能性もあります。

ただし、安価な人工木ではメリットが少なく、デメリットが多くなるかもしれません。
人工木を選ぶ際には、

● 人工木のメリットとデメリットを理解しておく
● 人工木の信頼できるメーカーの製品を選ぶ

という2つのポイントを理解しておけば、失敗する確率は下がります。

ホームセンターではDIYでカンタンに設置できる人工木製のウッドデッキのキットも用意されています。 そのような製品を検討するときにも、使用される人工木の品質に問題はないか十分にチェックしましょう。



2.ウッドデッキにうれしい、人工木の4つのメリット

ウッドデッキを作る際には多くの人が、天然木と人工木のどっちらで作るか迷うようです。両方のメリット・デメリットを理解すれば、どちらでウッドデッキを作るか選びやすくなるでしょう。

人工木にはウッドデッキに嬉しい下記のようなメリットがあります。

メリット①:加工・施工が簡単でDIYしやすい

人工木は十分な強度がありながらも天然木のように柔軟で、丸ノコでカットしたり、インパクトでビスを打ったりという加工作業が容易です。 また、中空(ホロー)構造になっているものが多く、軽量で扱いやすいというメリットもあります。

木材もカットやビス打ちがしにくい訳ではありませんが、特にウッドデッキに適しているハードウッドはかなり硬くて重いので、プロでなければ扱いが難しいことがあります。

メリット②:品質が安定していてコスパが高い

工場で生産される人工木は、信頼できるメーカーのものであれば適切なチェック・管理がされているため、品質が安定しています。 主原料である木粉や樹脂はリサイクルで調達できるので、物価高騰の影響を受けにくく価格も安定していて、コストパフォーマンスがよいというメリットもあります。

木材は天然素材であり、多少の変形があったり節が多かったりと品質に若干のばらつきがあることは避けられません。素材を厳選して品質のばらつきを抑えた木材はかなり高額になることもあります。
木材は近年のウッドショックにより価格の高騰が続いています。 良質な木材、特にウッドデッキなどの屋外の使用に向いているハードウッド系の木材はどんどん入手しにくくなっています。

メリット③:耐久性が高く、寿命(耐用年数)が長い

人工木の耐用年数は10〜15年程度です。 特に耐候性(紫外線や風雨に耐える性能)が高く設計されているものであれば寿命が20年ほどとされるものもあります。

人工木は樹脂が混合されているので、割れ・ささくれ・膨脹による変形があまりおこりません。 また、天然木に比べて腐食や虫害を受けにくいというメリットもあり、特にメンテナンスをしなくても、耐候性が高く寿命が長くなっているのです。

メリット④:メンテナンスが簡単

人工木は木材のような定期的な保護塗装を必要としないため、メンテナンスに手間がかかりません。 人工木はデッキブラシを使った水洗いでほとんどの汚れを落とすことができ、小傷なども#60のサンドペーパーで擦って消すことができます。

一般的な木材を屋外に使用する場合、メンテナンスを怠ると何年もしないうちに虫害・腐食・変形・割れなどの劣化が始まりまってしまいます。 そのため天然木で作られたウッドデッキはほとんどの場合、木材専用の保護塗装が必要になりますが、この塗装も3〜5年程度で塗り直さなければなりません。

特に腐食や虫害に強い木材であるウリンであれば人工木より高い耐腐食性があり長寿命ですが、やはり値段もかなり高額になります。



3.ウッドデッキに人工木を使用する時のデメリット&解決のためのアイデア

人工木を天然木材と比べると、いくつかのデメリットが見つかるかもしれません。 各メーカーはそれら人工木のデメリットカバーする様々な技巧・工夫を凝らした製品を取り扱っています。

人工木のいくつかのデメリットと、それを上手にカバーできる、魅力ある製品をいくつかご紹介しましょう。

デメリット①:「天然木とくらべて見劣りする」はこれで解決!

人工木は樹脂が多く含まれているので、見た目にもプラスチックのようなチープな質感が苦手という人も多いようです。
しかし、天然木の中には高度な加工技術で天然木と見分けがつかないほどに仕上げられた人工木もあります。

また、人工木を「天然木の代用品」と考えず、天然木とは異なる新しい建材と捉えれば、見劣りしないオリジナリティのあるウッドデッキを設計することも可能です。

質感やカラーバリエーションが優れたおすすめのウッドデッキ用人工木3選

「天然木と比べて見劣りする」という天然木のデメリットをカバーするには、

● 本物と見間違うほどの技巧を凝らした仕上げの天然木を選ぶ
● 天然木にしかないカラーバリエーションを活用する

の2つが大きなポイントとなります。

下記のような天然木製品なら、天然木に劣らないウッドデッキを作ることができるはずです。

ガーデンデッキ【ハイブリッド彩木】 / MINO株式会社

MINO株式会社の天然木「ハイブリッド彩木(あやぎ)」シリーズは、木の温もり、質感を忠実に再現した仕上がりが大きな特徴です。 彩木は本物の天然木の木目から型取りしており、天然木と見間違うほどリアルな仕上がりになっています。 彩木の塗膜やコーティングは耐候性も非常に優れていて、長期間屋外で使用しても退色はほとんどみられません。

さらに、唐茶、桧皮、古木、白茶という従来の4色展開に加え、最新のトレンドを取り入れた「グレージュ」「シルバーグレー」が追加されました。 彩木なら、リアルな質感と多彩なカラーバリエーションで、天然木以上の美しいウッドデッキが手に入ります。

次世代ハイブリッド・デッキ材【Eee-Wood】/ サーロジック株式会社(アートウッド)

サーロジック株式会社(アートウッド)が取り合う使う人工木「Eee-Wood」も樹脂を使用することからくる「人工感」を可能な限り廃し、天然木のような仕上がりを目指しています。
見た目だけではなく手触りや風合いまで本物の木と見間違えるほどの質感になるよう、表面加工にまでかなり手をかけています。

ウッドデッキ人工木材【アート・コム・ウッド】/ 株式会社呉松

呉松株式会社のアート・コム・ウッドのカラーバリエーションは「チョコレートブラウン」「クリームホワイト」「サンディイエロー」「ダークグレー」の4色展開。さらにオーダー専用色として高級感ある「ワインレッド」も用意されています。
これらのカラーバリエーションから単色でウッドデッキを作ることもできますし、複数の色をコーディネートしながら配置すると、オリジナリティあるマルチカラーのウッドデッキを作ることも可能です。

デメリット②:「日差しで熱くなりやすい」はこれで解決!

ウッドデッキは日当たりの良い場所に設置されることが多いものです。
人工木で作ったウッドデッキは日光で熱くなりやすいというデメリットがあります。

熱くならない!おすすめのウッドデッキ用人工木2選

「熱くなりやすい」という人工木のデメリットをカバーするには、

● ウッドデッキが影になる様オーニングや植栽を配置する
● 熱くならない特殊な構造の人工木をえらぶ

などの方法があります。

下記のような人工木であれば、夏場の日差しが強い場所でも使いやすいウッドデッキをつくることができます。

プレジィウッド・ライトデッキ材 / ハンディテクノ株式会社

ハンディテクノ株式会社の人工木「プレジィウッド」の成分は、木20%、樹脂75%、添加剤5%となっています。 プレジィウッドはポリスチレン樹脂と独立気泡構造を採用することにより、天然木以上に熱が素材内にこもりにくく、伝わりにくいという機能性を実現しました。

これらの特殊な構造により、プレジィウッドは日光がよく当たる場所でも、裸足で歩けないほど熱くなることはありません。

テント・オーニング生地【シャガール®︎アート】/ 帝人フロンティア株式会社

ウッドデッキの熱さ対策には、日避けのためのオーニングの設置も有効です。
オーニングはロールスクリーンの様な伸縮式の日避けで、不要な際はオーニングをしまって日光を浴びられる様にすることもできます。

デメリット③:「変形しやすい」はこれで解決!

人工木は

● 主に熱の影響で長手方向に膨張する
● 荷重によって反りが生じる

など、独特の変形が起こることがあります。

長手方向への伸縮は天然木にはほとんど起こらない変形ですし、反りも木材と違い一度反ると元に戻りにくいというデメリットがあります。

変形(反り)に強いおすすめのウッドデッキ用人工木2選

「変形しやすい」という人工木のデメリットをカバーするには、

● 中空(ホロー)ではなく、空洞のないムク材(ソリッド)の人工木を選ぶ
● アルミ芯が入ったタイプの人工木を選ぶ

という方法でカバーできます。

ムク材(ソリッド)+アルミ芯の人工木には下記の様な製品があります。

ハイブリッド建材【合成木材】/ セイキ販売株式会社

セイキ販売株式会社の「合成木材」は、内部に空洞のないソリッド構造となっています。
さらに、アルミ製の芯材が内蔵されているため十分な強度があり、人工木に起きがちな変形や伸縮に強くなっています。

人工再生木【ドゥーザー】/ 株式会社ラスコジャパン

ドゥーザーウッドは廃木粉・リサイクルプラスチックを活用した地球にやさしい人工木です。 変形に強いムク材(ソリッド)タイプの人工木を多数のサイズバリエーションで取り揃えています。
くわえて、ひび割れやチョーキングなど光(紫外線)による劣化が起こりにくいのもウッドデッキ材としては嬉しいポイントです。

まとめ

人工木・天然木それぞれに良さや弱点があります。 ここにご紹介したような人工木のメリット、またデメリットとその解決方法を覚えておけば、ウッドデッキに人工木を採用するかどうかを検討しやすくなります。
素材にこだわったウッドデッキのDIYに挑戦してみましょう。



著者(澤田 秀幸)プロフィール

CAD利用技術者1級、CADアドミニストレーター
住宅メーカの下請けとして木造大工作業を担当。
注文家具の製造と設置。製図補助を担当。
国内最大手インテリアメーカーの店舗で接客・販売を担当。






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