COLUMN
コラム
統一感が決め手になる国産木材の内装と家具利用
食事で言えば「ごはん」は主食ですが、おかずがないとバランスが整いません。美味しく、見た目も良く、バランスの良い食事を摂る為には、「主食」と「おかず」が必要です。
建築に言い換えれば、「お部屋自体」はインテリアの主役ですが、それだけでは本当の役目を果たしません。 家具や什器があってこそバランスが整い、本当の意味で部屋としての役割を果たします。
内装設計をするとき、つい間取りや仕上げばかりに注意が向いてしまいますが、用途によって使うべき家具は最初からしっかりと計画しておくべきです。 特に建築のプロであれば、利用用途をしっかりと把握し、お部屋と家具のトータルコーディネートを初期段階から検討しておくべきです。
今回は統一感溢れる素敵なインテリアに仕上げる為に、新築やリフォーム、そして模様替えに役立つ家具の選び方やポイントを紹介します。
建築に言い換えれば、「お部屋自体」はインテリアの主役ですが、それだけでは本当の役目を果たしません。 家具や什器があってこそバランスが整い、本当の意味で部屋としての役割を果たします。
内装設計をするとき、つい間取りや仕上げばかりに注意が向いてしまいますが、用途によって使うべき家具は最初からしっかりと計画しておくべきです。 特に建築のプロであれば、利用用途をしっかりと把握し、お部屋と家具のトータルコーディネートを初期段階から検討しておくべきです。
今回は統一感溢れる素敵なインテリアに仕上げる為に、新築やリフォーム、そして模様替えに役立つ家具の選び方やポイントを紹介します。
1.インテリアの最後の決め手は家具
家具とインテリアを混同してしまう人が意外に多いのですが、実は家具とインテリアは広義的には別物です。
「家具」とは日常生活や業務を行う為の道具類で、タンス・机・椅子等々を指します。一方「インテリア」とは室内装飾や室内調度品の事です。
ただし、インテリアには「室内を彩るもの」という意味があり、家具もインテリアの一部とする考え方もあります。花瓶や壁紙、そして絵画などもインテリアに含まれる為、実際にはインテリアと家具の区別は曖昧です。
と言う事を加味して室内のイメージを計画する場合、インテリアと家具はトータルで考えなければいけません。 新築やリフォームの際、お部屋の仕上がりにはこだわる一方で、家具は後付のオマケように購入して設置される人も居ます。大型家具店で「何となく似合う」「これでイイかな」と言う軽い気分で家具を選定されるのですが、実際に配置してみると何となく違和感があります。
家具を主体にするなら内装を合わせなければいけませんし、内装重視であれば家具を内装に合わなければバランスが変になります。
いくら良い内装に仕上げても、家具で全体のバランスを崩してしまえばインテリアは台無しです。家具はまさにインテリアの最後の決め手、大切に慎重に選定しましょう。
ただし、インテリアには「室内を彩るもの」という意味があり、家具もインテリアの一部とする考え方もあります。花瓶や壁紙、そして絵画などもインテリアに含まれる為、実際にはインテリアと家具の区別は曖昧です。
と言う事を加味して室内のイメージを計画する場合、インテリアと家具はトータルで考えなければいけません。 新築やリフォームの際、お部屋の仕上がりにはこだわる一方で、家具は後付のオマケように購入して設置される人も居ます。大型家具店で「何となく似合う」「これでイイかな」と言う軽い気分で家具を選定されるのですが、実際に配置してみると何となく違和感があります。
家具を主体にするなら内装を合わせなければいけませんし、内装重視であれば家具を内装に合わなければバランスが変になります。
いくら良い内装に仕上げても、家具で全体のバランスを崩してしまえばインテリアは台無しです。家具はまさにインテリアの最後の決め手、大切に慎重に選定しましょう。
2.どんな家具がオススメなのか?
室内に設置する家具は色々な種類があります。
リビングならソファ・リビングテーブル・リビングボード、ダイニングならダイニングテーブルや椅子、キッチンなら食器棚にワゴン類、各個室なら机・ベッド・収納家具・子供家具と言ったように、それぞれの部屋の利用用途によって配置する家具は大きく変わります。
せっかくなら、部屋の内装に合わせた家具をオシャレに配置したいですよね。
家具も含めたお部屋のトータルコーディネートが出来ると、インテリア全体が一層上品なものに仕上がります。 中でも特にオススメしたいのが「木製家具」です。 無垢フローリングや木材を利用した内装なら、是非とも味わい深くて高級感が増す木製家具を配置しましょう。
私自身の過去の経験ですが、広いダイニングに畳1畳相当の大きな手製の一枚板の無垢材テーブルを配置した事があります。安価なテーブルとは異なり、「見事」「豪華」「圧巻」を組み合わせた強い感動が込み上げてきました。
木目の美しさ、天然木材一枚物の豪華さ、そして独特の重厚感は、お部屋そのものが見事に引き立ちました。木製家具を利用したインテリアは、内装との相性も良く、使う材種によって大きく表情が変わるのでオススメです。
リビングならソファ・リビングテーブル・リビングボード、ダイニングならダイニングテーブルや椅子、キッチンなら食器棚にワゴン類、各個室なら机・ベッド・収納家具・子供家具と言ったように、それぞれの部屋の利用用途によって配置する家具は大きく変わります。
せっかくなら、部屋の内装に合わせた家具をオシャレに配置したいですよね。
家具も含めたお部屋のトータルコーディネートが出来ると、インテリア全体が一層上品なものに仕上がります。 中でも特にオススメしたいのが「木製家具」です。 無垢フローリングや木材を利用した内装なら、是非とも味わい深くて高級感が増す木製家具を配置しましょう。
私自身の過去の経験ですが、広いダイニングに畳1畳相当の大きな手製の一枚板の無垢材テーブルを配置した事があります。安価なテーブルとは異なり、「見事」「豪華」「圧巻」を組み合わせた強い感動が込み上げてきました。
木目の美しさ、天然木材一枚物の豪華さ、そして独特の重厚感は、お部屋そのものが見事に引き立ちました。木製家具を利用したインテリアは、内装との相性も良く、使う材種によって大きく表情が変わるのでオススメです。
3.森林資源大国日本の木を使った家具
木製家具の原料になるのは、当然「木材」です。建築材料に使われる木材も外国産の物が多いのですが、実は最近、国産材をメインに使おうと言う動きが活発化しています。この動きは建築材料だけでなく、家具の分野にも及んでいます。
木製家具の材料は外国産木材が主流でした。これは建築材料も同じです。
ところが近年、東南アジアを中心として伐採規制が広がり、さらに欧米でも合法木材化が進み、外国産木材全体の価格が上昇してきました。 加えて、国や自治体が国産木材の自給率アップを目指して様々な施策を行ない、林業の活性化を目指しています。良質な国産木材が以前よりも安価で手に入る環境が少しずつ整ってきました。
日本は国土のほぼ70%が森林です。フィンランドに次ぐ世界第2の保林国で、豊富な森林資源を活用すれば様々なメリットがあると期待されています。
防災効果、二酸化炭素抑制、経済の活性、雇用の創生、新型産業の創造等々、これから面白くなりそうな市場です。
大きな視野だけではなく、「家具」と言うもっと身近な視点で見ても国産木材の利用にはメリットがあります。 日本は独特の気候条件を持っています。高温多湿の夏、雨の多い気候、冬の厳しい寒さ。そんな日本で生まれ育った木材は、日本の住環境にもピッタリ適合しています。つまり相性抜群の家具や建築の材料なのです。
木製家具の材料は外国産木材が主流でした。これは建築材料も同じです。
ところが近年、東南アジアを中心として伐採規制が広がり、さらに欧米でも合法木材化が進み、外国産木材全体の価格が上昇してきました。 加えて、国や自治体が国産木材の自給率アップを目指して様々な施策を行ない、林業の活性化を目指しています。良質な国産木材が以前よりも安価で手に入る環境が少しずつ整ってきました。
日本は国土のほぼ70%が森林です。フィンランドに次ぐ世界第2の保林国で、豊富な森林資源を活用すれば様々なメリットがあると期待されています。
防災効果、二酸化炭素抑制、経済の活性、雇用の創生、新型産業の創造等々、これから面白くなりそうな市場です。
大きな視野だけではなく、「家具」と言うもっと身近な視点で見ても国産木材の利用にはメリットがあります。 日本は独特の気候条件を持っています。高温多湿の夏、雨の多い気候、冬の厳しい寒さ。そんな日本で生まれ育った木材は、日本の住環境にもピッタリ適合しています。つまり相性抜群の家具や建築の材料なのです。
4.国産木材利用家具プロジェクトが始動
国産木材を利用した家具を広げようと言う動きが活発化しています。日本の気候・風土・環境に適合し、美しく品質の良い国産木材には大きな注目が集まっています。
しかし、国産木材を利用した家具づくりに関してはいくつかのハードルがあります。
建築材料では主に杉や桧と言った針葉樹が利用されます。ところが家具に使われる木材の多くは「広葉樹」と言う種類で、家具材料として普及させる為には、流通ルートの整備、大きな無垢板の確保が難しい事、良質な材料は高価格になる等いくつかの問題が残っています。
この問題をクリアすべく、国産木材の針葉樹を利用した家具プロジェクトが立ち上がっています。高知県の四万十森林組合では「KIKIKI」と言うプロジェクトがクラウドファンデイングを行って話題になりました。純国産木材の杉や桧の「間伐材」、そして廃材になるような「端材」でさえも材料として利用し、購入者自身が組み立てるDIY形式のデザイン家具です。
家具材料として難しかった針葉樹の利用や、間伐材利用による環境保護を可能とし、新しい市場が開拓されました。
天然木を利用したインテリアは見た目の印象が柔らかく、杉や桧特有の香りが気持ちの良い空間を作り出します。広葉樹とはまた違った表情の楽しめる家具として注目を集めています。
しかし、国産木材を利用した家具づくりに関してはいくつかのハードルがあります。
建築材料では主に杉や桧と言った針葉樹が利用されます。ところが家具に使われる木材の多くは「広葉樹」と言う種類で、家具材料として普及させる為には、流通ルートの整備、大きな無垢板の確保が難しい事、良質な材料は高価格になる等いくつかの問題が残っています。
この問題をクリアすべく、国産木材の針葉樹を利用した家具プロジェクトが立ち上がっています。高知県の四万十森林組合では「KIKIKI」と言うプロジェクトがクラウドファンデイングを行って話題になりました。純国産木材の杉や桧の「間伐材」、そして廃材になるような「端材」でさえも材料として利用し、購入者自身が組み立てるDIY形式のデザイン家具です。
家具材料として難しかった針葉樹の利用や、間伐材利用による環境保護を可能とし、新しい市場が開拓されました。
天然木を利用したインテリアは見た目の印象が柔らかく、杉や桧特有の香りが気持ちの良い空間を作り出します。広葉樹とはまた違った表情の楽しめる家具として注目を集めています。
5.大手メーカーも国産材家具に注目
家具材料として国産木材を利用しているのは森林組合や中小企業だけではありません。大手の家具メーカーも注目し、新しい市場の開拓に尽力しています。
家具や什器関係の大手メーカーが、国産木材の間伐材を原料にした机や椅子そしてカウンターと言ったオフィス用製品ラインナップを揃え出しています。
針葉樹の弱点であった傷の付きやすさに対して、加工技術の向上や特殊塗料の使用により家具として利用出来る加工が施されています。
また大人気のカフェチェーン店でも、地元近くの森で育てられた木を原料にして、手製のテーブルが利用されています。
国産材(間伐材)は、徐々にではありますが市場で流通する商品として新たな利用段階に入りつつあります。 建築の内装材としてだけでなく、今後は「住環境」「職場」「学校」「店舗」「公共施設」でますます国産材を利用した家具が普及して行きそうです。
インテリア好きや建築のプロなら、国産木材を利用した家具をインテリアのポイントとして活用できる術をしっかり勉強しておきましょう。国が国産木材の自給率を上げる後押しをしている以上、今後国産木材市場のニーズはさらに高まり、ラインナップも豊富になって行くでしょう。
家具や什器関係の大手メーカーが、国産木材の間伐材を原料にした机や椅子そしてカウンターと言ったオフィス用製品ラインナップを揃え出しています。
針葉樹の弱点であった傷の付きやすさに対して、加工技術の向上や特殊塗料の使用により家具として利用出来る加工が施されています。
また大人気のカフェチェーン店でも、地元近くの森で育てられた木を原料にして、手製のテーブルが利用されています。
国産材(間伐材)は、徐々にではありますが市場で流通する商品として新たな利用段階に入りつつあります。 建築の内装材としてだけでなく、今後は「住環境」「職場」「学校」「店舗」「公共施設」でますます国産材を利用した家具が普及して行きそうです。
インテリア好きや建築のプロなら、国産木材を利用した家具をインテリアのポイントとして活用できる術をしっかり勉強しておきましょう。国が国産木材の自給率を上げる後押しをしている以上、今後国産木材市場のニーズはさらに高まり、ラインナップも豊富になって行くでしょう。
6.まとめ
いかがでしたか?国産木材を利用した家具について簡単に説明させて頂きました。
外国産木材の価格高騰により、今国産木材に熱い注目が集まっています。注目が集まると人が集まり、やがて資本が集まってたくさんの製品が生まれます。これから国産木材を利用した家具がさらに増えることは確実でしょう。
建築材料に関しても「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行から全国的に国産木材の使用量が広がっています。
従来の家具では利用が難しかった針葉樹の加工技術がさらに向上すれば、もっと身近で、もっとオシャレで安価な家具たちに出会う機会が増えてくるでしょう。 風土にマッチした材料を使い内装材や家具を利用すれば、インテリアとしても申し分のない統一感と美しさを演出出来るでしょう。
家具を上手に活用し、統一感溢れる格好良いインテリアづくりを目指しましょう。
外国産木材の価格高騰により、今国産木材に熱い注目が集まっています。注目が集まると人が集まり、やがて資本が集まってたくさんの製品が生まれます。これから国産木材を利用した家具がさらに増えることは確実でしょう。
建築材料に関しても「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行から全国的に国産木材の使用量が広がっています。
従来の家具では利用が難しかった針葉樹の加工技術がさらに向上すれば、もっと身近で、もっとオシャレで安価な家具たちに出会う機会が増えてくるでしょう。 風土にマッチした材料を使い内装材や家具を利用すれば、インテリアとしても申し分のない統一感と美しさを演出出来るでしょう。
家具を上手に活用し、統一感溢れる格好良いインテリアづくりを目指しましょう。
著者(田場 信広)プロフィール
・一級建築士、宅地建物取引士
・建築設計、工事監理、施工(大工)、戸建て木造住宅の新築からリフォーム全般、分譲マンションの内装改修、マンションの大規模修繕工事の設計・設計管理、警察署の入札仕事や少年院の特殊な工事も経験
・某資格学校にて2級建築士設計製図コースの講師を6年務める
田場 信広の他の記事
RELATED ARTICLE
アクセスランキング(COLUMN)
SumaiRing最新記事
TAGS
お役立ち
建築建材