COLUMN
コラム
民間工事や小規模工事でも活用できるNETIS技術
公共工事の入札時に加点評価が付く「NETIS」をご存知ですか?
「NETIS」とは、New Technology Information Systemの略で「ネティス」と読みます。
民間企業が開発した新技術をデーターベースにしたもので、誰でも自由に検索して利用できるシステムです。 公共工事を受注する施工者様であれば、すでにNETIS登録技術を利用された経験も多いのではないでしょうか。
このNETISは公共工事だけに利用できるシステムではなく、実は民間工事や小規模工事でも有効的に活用することが可能です。
さらに、建設業界全体が抱える問題の解決につながるかも知れません。
NETISとは何か、どのような活用法があるのかについて紹介させて頂きます。
「NETIS」とは、New Technology Information Systemの略で「ネティス」と読みます。
民間企業が開発した新技術をデーターベースにしたもので、誰でも自由に検索して利用できるシステムです。 公共工事を受注する施工者様であれば、すでにNETIS登録技術を利用された経験も多いのではないでしょうか。
このNETISは公共工事だけに利用できるシステムではなく、実は民間工事や小規模工事でも有効的に活用することが可能です。
さらに、建設業界全体が抱える問題の解決につながるかも知れません。
NETISとは何か、どのような活用法があるのかについて紹介させて頂きます。
1. 民間工事や小規模工事にもNETISは外せない
「NETIS」は国土交通省が取り組んでいる「公共工事等における技術活用システム」 の中核で、公共事業が抱えているさまざまな問題点を解決すると共に、優れた技術を持つ企業をサポートして更なる新技術開発を促進することを目的としてインターネット上で一般に公開されているデータベースです。
法人・個人を問わず誰でも自由に閲覧可能で、国土交通省により2006年度から本格運用されています。
公共工事を取り巻く環境は昨今大きく変化してきています。
コストとクオリティの両面で優れた工事であるだけでなく、環境面への配慮や省資源化、さらに維持管理費の削減といった複雑な条件を満たす工事が求められています。
また、公正な入札や契約を求めるニーズも高まり、総合評価落札方式を採用する公共工事も増加しました。
標準的な設計や施工でもっとも安い価格が落札者となる方式から、公共工事の価値を高めることを目指した新しい方式へと移り変わりつつあります。
NETIS登録技術を活用するメリットは、「公共工事の入札時に加点評価がつくこと」「工期を短縮できること」「コストカットできること」の3つです。 工期短縮とコスト削減はすべての施工者に共通する課題であるため、公共工事に関係しない施工者様でもNETISに登録された新技術は見逃すことができません。
因みに、似た言葉に「NETISプラス」がありますが、これはNETISの機能を補完する目的で一般財団法人先端建設技術センターが運用しているシステムで、NETISとは直接の関係はありません。
法人・個人を問わず誰でも自由に閲覧可能で、国土交通省により2006年度から本格運用されています。
公共工事を取り巻く環境は昨今大きく変化してきています。
コストとクオリティの両面で優れた工事であるだけでなく、環境面への配慮や省資源化、さらに維持管理費の削減といった複雑な条件を満たす工事が求められています。
また、公正な入札や契約を求めるニーズも高まり、総合評価落札方式を採用する公共工事も増加しました。
標準的な設計や施工でもっとも安い価格が落札者となる方式から、公共工事の価値を高めることを目指した新しい方式へと移り変わりつつあります。
・総合評価落札方式は、技術と価格の両方を加味して優れた案を落札者とする仕組み。
・NETISに登録されている優れた技術を採用することにより、工事成績評定や総合評価落札方式における加点評価の対象の条件。
・NETISに登録されている優れた技術を採用することにより、工事成績評定や総合評価落札方式における加点評価の対象の条件。
NETIS登録技術を活用するメリットは、「公共工事の入札時に加点評価がつくこと」「工期を短縮できること」「コストカットできること」の3つです。 工期短縮とコスト削減はすべての施工者に共通する課題であるため、公共工事に関係しない施工者様でもNETISに登録された新技術は見逃すことができません。
因みに、似た言葉に「NETISプラス」がありますが、これはNETISの機能を補完する目的で一般財団法人先端建設技術センターが運用しているシステムで、NETISとは直接の関係はありません。
2. 深刻化する建設業界が抱える問題
少子高齢化と労働人口の減少は、今後の日本全体の大きな課題です。
多くの業界で人材不足が深刻化していますが、建設業界はより顕著で、特に有能な技術者や職人の不足が加速しています。
建設業界の人材不足の原因として大きく2つの理由が考えられます。
1つ目は若年層の人材不足です。
建設業界の人材不足は若年層離れが大きく影響しているといわれています。
建設業界は休日が少なく、肉体労働のため体への負担が大きい職種です。
「きつい、汚い、危険」の3Kが揃う職場環境よりも、より安全で安定した就業条件を求める傾向が強いためです。
2つ目は定着率の悪い差です。
建設業界は離職率の高さも問題視されています。
その原因は、仕事量や負担に対する賃金の安さや労働時間の長さです。
年間出勤日数は全産業と比較して多くなっているのに対して、収入は全産業のなかでも低くなっています。
現場で職人の手作業による仕事に頼ってきた建設業界は、肝心な労働力の減少から危機的な状況に直面しています。
この問題は大型の工事現場だけでなく、小規模な工事でも今後は顕著になっていく可能性があります。
人材不足を解消するためには、外国人労働者などを利用して労働力を確保する、もしくはITや機械などの新技術を利用する以外に方法はありません。
多くの業界で人材不足が深刻化していますが、建設業界はより顕著で、特に有能な技術者や職人の不足が加速しています。
建設業界の人材不足の原因として大きく2つの理由が考えられます。
1つ目は若年層の人材不足です。
建設業界の人材不足は若年層離れが大きく影響しているといわれています。
建設業界は休日が少なく、肉体労働のため体への負担が大きい職種です。
「きつい、汚い、危険」の3Kが揃う職場環境よりも、より安全で安定した就業条件を求める傾向が強いためです。
2つ目は定着率の悪い差です。
建設業界は離職率の高さも問題視されています。
その原因は、仕事量や負担に対する賃金の安さや労働時間の長さです。
年間出勤日数は全産業と比較して多くなっているのに対して、収入は全産業のなかでも低くなっています。
現場で職人の手作業による仕事に頼ってきた建設業界は、肝心な労働力の減少から危機的な状況に直面しています。
この問題は大型の工事現場だけでなく、小規模な工事でも今後は顕著になっていく可能性があります。
人材不足を解消するためには、外国人労働者などを利用して労働力を確保する、もしくはITや機械などの新技術を利用する以外に方法はありません。
3. 工期短縮とコストダウンはいつの時代も大きな課題
建設業界が抱える問題は「人材不足」だけではありません。
古今東西問わず、昔から「工期短縮」と「コストダウン」は常に大きな課題です。
コストと工期は密接な関係を持ち、作業が効率的に進むほどコストを抑えることができます。
手待ちをなくして段取り良く工事を進めると、技術職や職人の収入も増えて、建設会社自体も儲かります。
工期短縮を心がけている施工者には良い職人が集まりやすく、作業効率が良い会社ほど大きな利益を確保することが可能です。
いかにして安全や品質を保った状態のまま作業が効率化できるのかは、施工会社や監督の手腕の見せ所ともいえるでしょう。
ところが、従来どおりの作業や工程を組み立てているだけでは工期短縮はできません。
より効率的な作業を取り入れる必要があります。
このような場合に役立つのがNETISの新技術です。
工事内容や自社の施工スタイルに合わせて必要な新技術を取り入れることにより、作業の効率化や工期短縮を図ることが可能になってくるはずです。
古今東西問わず、昔から「工期短縮」と「コストダウン」は常に大きな課題です。
コストと工期は密接な関係を持ち、作業が効率的に進むほどコストを抑えることができます。
手待ちをなくして段取り良く工事を進めると、技術職や職人の収入も増えて、建設会社自体も儲かります。
工期短縮を心がけている施工者には良い職人が集まりやすく、作業効率が良い会社ほど大きな利益を確保することが可能です。
いかにして安全や品質を保った状態のまま作業が効率化できるのかは、施工会社や監督の手腕の見せ所ともいえるでしょう。
ところが、従来どおりの作業や工程を組み立てているだけでは工期短縮はできません。
より効率的な作業を取り入れる必要があります。
このような場合に役立つのがNETISの新技術です。
工事内容や自社の施工スタイルに合わせて必要な新技術を取り入れることにより、作業の効率化や工期短縮を図ることが可能になってくるはずです。
4. 情報共有とICT化がもたらすこれからの現場のあり方
人材不足、コストダウン、工期短縮の課題をクリアするためには、徹底した作業の効率化が必須です。
これは公共工事だけでなく、一般的な民間工事や小規模工事においても重要な課題であり、今後も建設業で生き残るためには避けて通れない課題です。
建設業に特に求められているのが「ICT化」です。 有益な情報や技術を共有したり、ITの技術を利用して安全で効率的な作業の遂行が求められる時代です。
さまざまな分野でICT化の波が進んでいますが、建設業も積極的に情報共有とICT化を図る必要があります。
可能な限り作業をロボット化させ、不足する人材と技術を補わなければなりません。
農業や林業などの分野では、ドローンを利用した測量や管理体制を構築しながら作業の効率化を進めています。
建設業においても、24時間監視できるカメラを設置したり、工事写真に利用する看板のデジタル化や自動写真整理機能など、少しずつではありますが現場のあり方が変わりつつあります。
NETISに登録されている新技術を上手に自社のスタイルに合わせて利用することにより、より効率的な現場運営を行なうことができるはずです。
これは公共工事だけでなく、一般的な民間工事や小規模工事においても重要な課題であり、今後も建設業で生き残るためには避けて通れない課題です。
建設業に特に求められているのが「ICT化」です。 有益な情報や技術を共有したり、ITの技術を利用して安全で効率的な作業の遂行が求められる時代です。
さまざまな分野でICT化の波が進んでいますが、建設業も積極的に情報共有とICT化を図る必要があります。
可能な限り作業をロボット化させ、不足する人材と技術を補わなければなりません。
農業や林業などの分野では、ドローンを利用した測量や管理体制を構築しながら作業の効率化を進めています。
建設業においても、24時間監視できるカメラを設置したり、工事写真に利用する看板のデジタル化や自動写真整理機能など、少しずつではありますが現場のあり方が変わりつつあります。
NETISに登録されている新技術を上手に自社のスタイルに合わせて利用することにより、より効率的な現場運営を行なうことができるはずです。
5. 建設現場で使えるオススメNETIS商品の一例
NETISには数多くの新技術情報が登録されていますが、建築工事の現場で使える新技術を3つほど紹介させて頂きます。
「タイル面・石張り面・モルタル面を固定する外壁注入技術「FST工法」
タイル外壁やモルタル外壁の補修工法は、外壁を振動ドリルで穴を開けて樹脂を注入して全ネジピンを差し込むピンニング工法と、金属系拡張アンカーを打ち込んでから樹脂を注入して固定する注入口付アンカーピン工法があります。
しかし、この二つの工法には樹脂の注入不良や共浮き・剥離などの問題が残ります。
「FST工法」は、振動ドリルの欠点ともいうべき粉塵詰りを解決した湿式二軸低騒音ドリルの利用と、多層空隙注入ノズルを使用して樹脂注入不良や共浮き・剥離を解決した新たな工法です。
一般的なピンニング施工の半分の工程で施工可能な画期的な新技術です。
しかし、この二つの工法には樹脂の注入不良や共浮き・剥離などの問題が残ります。
「FST工法」は、振動ドリルの欠点ともいうべき粉塵詰りを解決した湿式二軸低騒音ドリルの利用と、多層空隙注入ノズルを使用して樹脂注入不良や共浮き・剥離を解決した新たな工法です。
一般的なピンニング施工の半分の工程で施工可能な画期的な新技術です。
ハイブリッド型改質アスファルトシート施工方法「OS-sheets」
通気性と防水性2つの機能を1枚のシートです。
自着式のシートと、接合部のみトーチの簡単施工で生産性アップを実現した新技術です。
工程を短縮できるため、工期の短縮や工事費の削減につながります。
環境に優しく、経済効果も備えている優れものです。
自着式のシートと、接合部のみトーチの簡単施工で生産性アップを実現した新技術です。
工程を短縮できるため、工期の短縮や工事費の削減につながります。
環境に優しく、経済効果も備えている優れものです。
コンクリート用中性化防止剤・保護防水剤「ハイドロ・スカイ」
「ハイドロ・スカイ」は、水分によって生じるコンクリートのさまざまな劣化現象を防止する防水・撥水剤です。
コンクリートに塗布するだけで、外部からの浸水を防ぐだけでなく、内部の湿気を放出しながらアルカリ度を回復します。
コンクリートの中性化や爆裂現象などを防止して構造物を保護します。
コンクリートに塗布するだけで、外部からの浸水を防ぐだけでなく、内部の湿気を放出しながらアルカリ度を回復します。
コンクリートの中性化や爆裂現象などを防止して構造物を保護します。
6. まとめ
いかがでしたか。
NETISは公共工事だけでなく、大小問わずさまざまな工事に利用できる新技術が多数掲載されています。
NETISは法人・個人を問わず自由に利用できるだけでなく、有効性が高い新技術は正当な評価が付けられる仕組みがあります。 一般的な民間企業のシステムではなく、国土交通省が責任を持って運営している点も信頼感が大きいといえるでしょう。
人材不足の解消、コストダウンや工期短縮など、建設業はこの先も多くの課題を抱えながら時代の波に乗っていかなければなりません。 情報共有やICT化の流れを上手に活用しながら、自社の利益と技術の向上、クライアント様の満足度アップを目指さなければいけません。
NETIS公式サイトには利用方法や新技術の登録申請方法などがまとめられた資料が揃っています。
時間を取ってじっくりとNETISと向き合い、素晴らしい新技術を検索してみてはいかがでしょうか。
NETISは公共工事だけでなく、大小問わずさまざまな工事に利用できる新技術が多数掲載されています。
NETISは法人・個人を問わず自由に利用できるだけでなく、有効性が高い新技術は正当な評価が付けられる仕組みがあります。 一般的な民間企業のシステムではなく、国土交通省が責任を持って運営している点も信頼感が大きいといえるでしょう。
人材不足の解消、コストダウンや工期短縮など、建設業はこの先も多くの課題を抱えながら時代の波に乗っていかなければなりません。 情報共有やICT化の流れを上手に活用しながら、自社の利益と技術の向上、クライアント様の満足度アップを目指さなければいけません。
NETIS公式サイトには利用方法や新技術の登録申請方法などがまとめられた資料が揃っています。
時間を取ってじっくりとNETISと向き合い、素晴らしい新技術を検索してみてはいかがでしょうか。
著者(田場 信広)プロフィール
・一級建築士、宅地建物取引士
・建築設計、工事監理、施工(大工)、戸建て木造住宅の新築からリフォーム全般、分譲マンションの内装改修、マンションの大規模修繕工事の設計・設計管理、警察署の入札仕事や少年院の特殊な工事も経験
・某資格学校にて2級建築士設計製図コースの講師を6年務める
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